自社のMACC曲線に基づいて脱炭素ソリューションを評価する方法

「施策リスト」がポートフォリオにならない理由(そしてMACC曲線が役立つ理由)
大企業では、脱炭素のアイデアが実行能力を上回るのが常です。
優先順位づけの基準がないと、ポートフォリオは次のような状態に陥ります。
- 施策が散在する
- 比較可能性が低い
- 予算の妥当性を説明しにくい
MACC曲線(Marginal Abatement Cost Curve)は、施策を限界削減費用と削減ポテンシャルで比較することで、「アイデア」を優先順位づけされたポートフォリオへと変えるのに役立ちます。
意思決定者の言語で投資を説明することが最優先なら、まずは次の中核記事から:サイクルごとの証跡で通勤(スコープ3.7)のROIを説明する方法。
MACC曲線とは何か(適切なレベルでの解説)
MACC曲線は、一般に次の2つの観点から施策を曲線上に整理します。
- 削減ポテンシャル(その施策でどれだけ削減できるか)
- 限界費用(1単位削減するのにいくらかかるか)
実務上、MACC曲線を使いこなすために、完璧な状態から始める必要はありません。必要なのは、比較可能な状態から始めることです。
MACC曲線で脱炭素ソリューションを評価する手順
1)候補となる施策を洗い出す(絞り込みすぎない)
性質の異なる施策を幅広く含めてください。
- 効率化
- 行動変容
- 物流・モビリティ
- エネルギー
2)比較の基準を定める
単位と時間軸を選びます。
ここでの要点は、最初のサイクルで「最終的な正解の数値」を出すことではありません。同じ物差しで施策を比較できるようにすることです。
3)総コストと運用コストを見積もる
次の2つを分けて考えます。
- 導入(セットアップ)
- 運用(保守・コミュニケーション・マネジメント)
4)削減ポテンシャルを見積もる(前提条件を記録したうえで)
スコープ3に関わる施策では、前提条件を記録し、サイクルをまたいで一貫性を保ってください。
対象範囲に通勤(カテゴリ3.7)が含まれる場合は、行き詰まらないための次のガイドが役立ちます:スコープ3(カテゴリ3.7):何を測定し、行き詰まらずに始めるには。
5)「純粋な」MACC曲線では捉えられない観点を加える:実行可能性と証跡
2つの施策は、費用と削減ポテンシャルが似ていても、次の点で異なることがあります。
- 調整の負荷(関与する部門の数)
- 最初のサイクルを回すまでの期間
- 証跡の質
大企業では、この違いが決定的です。
通勤に関する施策はMACC曲線のどこに位置づけられるか
日々の通勤に関わるプログラム(多くの場合スコープ3.7として議論されます)は、次の要素がそろうと魅力的な選択肢になります。
- サイクル単位での実行
- スケールするエンゲージメント
- 追跡可能な証跡
こうしたプログラムがつまずく原因は、「意味がない」ことではなく、対象範囲もベースラインも算定方法も定めずに始めてしまうことにあります。
「良いアイデア」と「良い意思決定」を切り分ける問い
次のチェックリストをご活用ください。
- 明確なオーナーがいるか?
- 最初のサイクルを30〜90日で回せるか?
- その算定方法は説明に耐える証跡を生むか?
- 拠点間で比較し、サイクルごとに改善できるか?
- 終わりのないプロジェクトにせず、現場が運用できるか?
FAQ(SEO)
MACC曲線(Marginal Abatement Cost Curve)とは何ですか?
削減施策を限界費用と削減ポテンシャルの観点から並べ替え、ポートフォリオの優先順位づけを助ける手法です。
スコープ3の施策を優先順位づけするために、MACC曲線をどう使えばよいですか?
比較可能な物差しを定め、算定方法の前提条件を記録し、費用と削減ポテンシャルに加えて、実行可能性と証跡の観点を評価軸に加えてください。
MACC曲線は投資(ROI)の説明に使えますか?
優先順位づけの土台としては有効です。ROIの説明とサイクルごとの証跡づくりには、運用・モニタリングの仕組みと組み合わせてください。
あわせて読みたい(本シリーズ)
- ベースラインと算定方法で通勤(スコープ3.7)のROIを証明する (中核記事)
- ESG目標に連動した変動報酬で企業がコストを削減する方法
- スコープ3(カテゴリ3.7):何を測定し、行き詰まらずに始めるには
次のステップ
MACC曲線の考え方でポートフォリオに優先順位をつけ、証跡とROIを伴うサイクルを回すための実行可能な計画を持ち帰りたい方は、次の一歩として短時間の診断をおすすめします。
